- 詩 -

幸福

幸福って

遅くは来ても

決して早くは来ない

バスのような気がしませんか。

--------------------------------------

三色すみれ

笑っているようなその顔に

光が走ったある朝────

私は素直になれる気がして 

おもてへ出てみました。 

と、誰かが「おはよう」と言ったようで・・・私は、

思わずあなたを見ていたのでした。

--------------------------------------

きりん草

まだ暗い朝、歩きました。

右には金あみ、その向こうに きりん草。

その黄色さがまだ、ぼやけて見えました。

ただ 咲いているだけに見えました。

もう走らない電車の横に わが宿のごとく、 

数えきれないほどのきりん草が。

--------------------------------------

汽車

心がわりの多い日には

各駅停車がぴったりか

それとも変わる間もない 特急にするか?

とにかくこんな日には

動いていたほうがよい

もしも地面が反対に

後へ後へながれているのなら

汽車はさからって動いている

地面の流れにさからって・・・

汽車が動いているから

地面がとおざかってゆく

どちらでもよいのだ

どうせ汽車は動いているのだから

--------------------------------------

私の存在

自分を忘れたい時がある

くやしい時 はずかしい時

 

自分がちっぽけなもので

くやしくなる

 

自分がみじめなもので

はずかしくなる

 

人を誤って見ていた私の目は 

魚の目のようでいやになる

 

人を誤って感じていた私の心は

おおかみのようでいやになる

 

でも こんな時決まって 私の存在は 大きくなる

悪い時に 大きくなる

 

魚に似た目の私は ただ 足もとをみつめ

ただよい歩く

行く所がなくて おおかみにかわる

 

自分を忘れたい時がある

 

でも こんな時決まって 私の存在は 大きくなる

--------------------------------------

こわれた心

私はつかれた

自分につかれた

頭がいたくて 方すみで考えて

口を動かした

それで正しかった

ちっともうれしくない

 

最近妙にくるしい

これでいいのかと考えると

身ごとけずられるようだ

 

 ──国語の授業中、発言後──

--------------------------------------

片目のないダルマ

手も足も出なかったダルマは

いつまでも片目だった。

片目で泣く涙はやけに多かった。

--------------------------------------

悟り

世の中に意外な事は案外ある。しかし、

世の中に絶対という事は在り得ない。

--------------------------------------

嫌な人

立前ばかりの人

死んだ目の人

失礼な人

過去の栄光をひきずる人

自分の欠点を誇らし気に話す人

知人を自慢する人

やたら性格語る人

なにかと大袈裟な人

親し気にふるまう人

調子良く、ずうずうしい人

干渉癖のある人

冷笑いながら喧嘩する人

個性や感性を乱用する人

────ときどき鏡に映る人。

--------------------------------------

共存

純粋である勇気に

残念ながら、私は生きている。

生活できる汚さ

瞳はまだ輝いているだろうか

私は真二つに分かれている。

迎合することのない孤高を望みながら

俗に執着する未練の情けなさよ。

半端な賢者は自負心ばかり強くて

愚か者にも劣る。

″生″は生活によって汚され

″死″によってのみ清められる。